大林組技術研究所「オープンラボ3」での取り組みが3R推進功労者等表彰で国土交通大臣賞を受賞

国内初、建物解体後の鉄骨・コンクリート製の構造部材を新築建物にリユース

サステナビリティ

大林組は、大林組技術研究所(東京都清瀬市)で建設中の実験棟「オープンラボ3(OL3)」で取り組んだ廃棄物などの発生抑制(リデュース)、再使用(リユース)、再資源化(リサイクル)の活動が評価され、2025年度リデュース・リユース・リサイクル(3R)推進功労者等表彰で国土交通大臣賞を受賞しました。

3R推進功労者等表彰は、リデュース・リユース・リサイクル推進協議会が主催し、循環型社会の形成に向け、3Rに率先して取り組み、資源の有効利用、環境への負荷低減に向けて顕著な実績を挙げている個人や団体を表彰するものです。

今年度は全54件の推薦の中から計17件が受賞し、大林組は建設業として最高位(他1社)となる国土交通大臣賞に選ばれました。

表彰状を受け取る大林組常務執行役員 賀持剛一(左)

国土交通大臣賞

国内初、建物解体後の鉄骨およびコンクリート製の構造部材を建築建物へリユース

  • 受賞者:大林組 技術研究所OL3工事事務所
解体建物:電磁環境実験棟 鉄骨造2階建て(1993年竣工)
新築建物:OL3完成イメージ図の内、赤線部分(第1期完成部分)の基礎・地中梁、柱・梁にリユース材を使用

大林組技術研究所の既存の実験棟を解体し、柱・梁・ブレースなどの鉄骨部材と基礎・基礎梁・小梁・床スラブなどのコンクリート構造部材を新築建物の構造体として再利用しました。

解体時に鉄骨部材を再利用可能な状態で取り外し、新築建物に合わせて一部再加工・調整を行った上で、新規構造体として使用しています。また、コンクリート部材は、新築建物の平面形状に合わせて現場切断後、接合部を加工し、新たに構築した新設部材と接合することにより新築建物の構造体としてリユースしました。

OL3第1期部分の内部(赤色鉄骨がリユース材、黒色鉄骨は新材)

古くから木造建築では解体後の木材を再利用する例はありますが、解体後の鉄骨やコンクリート部材をそのまま新築建物の構造体として使用するのは国内初の取り組みです。また、この手法により、柱間を変更するなど、場所や既存の建物形状に捉われることなく、より高い自由度で構造部材を活用することが可能となりました。

鉄骨および鉄筋コンクリート基礎部のリユースイメージ

今回の工事では、全ての資材を新規で調達する場合に比べ、約49%のCO2排出量が削減されました。また、新築建物の構造部材のうち、鉄骨57%、コンクリート33%にリユース材を活用しています。

この取り組みにより、建物解体時に鉄骨およびコンクリート部材をリユースすることで産業廃棄物の発生を抑え、類似の取り組みに進展することが期待できます。

OL3における使用構造部材の製造時CO2排出量の比較

大林組は、再使用や再資源化、低炭素化といったさまざまなサステナブルな技術を開発し、脱炭素社会と循環型社会の実現に向けて貢献してまいります。